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小児感染症

こどもは感染症にかかりやすい

小児感染症

保育園や幼稚園など、集団生活をはじめる前のお子さんは感染症に対する抵抗力が弱く、集団生活がはじまると様々な病原体にさらされることになります。そのため保育園・幼稚園に通うお子さんは、そうでないお子さんに比べて約2倍感染症にかかりやすいといわれています。また、感染症のなかには、インフルエンザなど学校保健安全法施行規則により出席停止となる病気もあります。

感染症と季節

お子さんがかかりやすい感染症には流行する季節があります。例えばインフルエンザが冬から春にかけて流行することはよく知られていると思います。流行する季節に差し掛かったら、しっかり手洗い・うがいを行う、十分な栄養と睡眠をとり、規則正しい生活を心がけるなどの予防対策を行いましょう。予防接種がある感染症については漏らさずに接種することも大切です。地域の流行情報、幼稚園・保育園などから出される注意喚起情報もチェックしておくことも有効です。

感染症の種類

ヘルパンギーナ

突然の高熱(39度以上)と口の奥(のどちんこの辺り)に水ぶくれができる感染症です。例年5月ごろから増加し始め7月が流行のピークです。主に5歳以下の乳幼児で発症し、1歳代が最も多いです。のどの痛みから食事や水分がとりにくくなり、脱水症状をおこすことがあるため、水分補給を心がけることが大切です。

RSウイルス

以前は秋から冬にかけて流行するといわれていましたが近年では夏から流行することがわかってきました。感染力が強く、2〜3才までにほぼ全ての子どもに感染します。症状はせきや鼻水など風邪によく似ていますが、生後6カ月未満の乳児は重症化するおそれがあるため注意が必要です。

インフルエンザ

症状は風邪とよく似ていますが、急激に発症し39度以上の高熱や関節痛などの全身症状が強く出ます。例年12月下旬から流行し始め、1月~2月がピークとなります。毎年流行する型が異なり、接種後効果が見られるのがおよそ2週間後であるため毎年12月上旬ごろまでに予防接種を受けることが望ましいです。

溶連菌感染症

主にA群溶血性レンサ球菌の感染によって起こる感染症です。冬から春にかけて流行することが多く、突然の発熱やのどの痛み、全身の倦怠感などの症状が見られます。嘔吐、細かい発疹が伴うこともあります。稀ではありますがリウマチ熱や腎炎を合併することがあるため、早期に診断し治療を行う必要があります。

手足口病

口の中や、手足などに水ぶくれができる感染症です。主に夏に流行し、感染者の9割が5歳以下の乳幼児です。熱が出ないことも多く、出ても高熱が続くことは通常ありません。水ぶくれは通常3日~1週間程度で消失し、かさぶたにはなりません。原因となるウイルスの種類が複数あるため何度もかかる可能性があるのが特徴です。

伝染性紅斑(リンゴ病)

両側の頬がリンゴのように赤くなるためリンゴ病と呼ばれ、夏頃に流行します。頬が赤くなる以外の症状としては初めに軽い風邪症状、続いて手足の発疹が見られます。5歳~9歳のお子さんが感染しやすく、特に多いのは5歳前後です。大人もかかる疾患であり、特に妊婦さんが感染すると胎児に影響を与えることが多いため注意が必要です。

マイコプラズマ感染症

1年を通じて見られますが夏から秋にかけて流行することが多い感染症です。発熱や頭痛などの風邪症状の後、咳が徐々に激しくなり解熱後も3~4週間ほど続きます。軽症で済むことも多いですが、3~5%程度は肺炎になることもあります。潜伏期間が2~3週間とほかの感染症に比べて長いのも特徴です。

感染性胃腸炎(ノロウイルス)

ノロウイルスを原因とする胃腸炎は1年を通じて見られますが特に冬にかけて流行します。手や指、食品などを介して経口で感染し、嘔吐や下痢、腹痛などを起こします。熱は出ても軽度の場合がほとんどです。アルコールでは消毒できないことも特徴で、予防には塩素系漂白剤を薄めた消毒液が有効です。

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